明治19年11月3日、天長節(天皇誕生日)を祝う観兵式が日比谷練兵場で盛大に行われ、東京中が祝賀ムードに沸いていた。文明開化の花咲く明治時代の社交界。鹿鳴館では、外務卿・影山伯爵主催による大舞踏会が催されようとしていた。元は芸妓だった影山夫人・朝子は、親しくする華族令嬢の恋の仲立ちを頼まれる。その相手とは、舞踏会の襲撃を計画している反政府派リーダー・清原永之輔の息子、久雄であった。